大阪北逓信病院 治療法 解説 修復手術

大阪北逓信病院の治療法解説リンク【修復手術】

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 大阪北逓信病院の痔の手術・治療法についてです。
 今回も大阪北逓信病院のHPからの引用です。もう少しで、大阪北逓信病院が閉鎖するので、HPもみれなくなるかもしれません。

 

【修復手術】

 

修復手術とは、過去に医療施設(病院や診療所)にて肛門疾患や直腸疾患に対する治療を受けられ、その結果に対して御不満のある方に、新たに手術をする事により改善の余地がある場合に施行する手術です。主に斎藤医師が施行しております。

 

直腸・肛門狭窄(狭くなる事)、肛門括約筋の弛緩(ゆるむ事)などいろいろな病態があります。
痔核切除手術後の肛門狭窄は、切除のデザインが良くない事、切除創の幅が広い事、3箇所以上同時に切除している事、根部結紮の高さが揃っている事などが重なり、狭くなったと考えられます。痔核に対する過去の手術法であるホワイトヘッド手術後の肛門狭窄の方も来院されます。

 

大阪市内で保険診療をされている、ある肛門専門医に痔核切除手術を受けられて、上記の理由以外に“ついでにまわりもきれいにしておきましょう”と言われ、肛門管から肛門縁の皮膚・皮下組織をぐるりと切除されて、肛門に小指が入らなくなるほど狭くなった人が何人も(4ヶ月以内に3人)受診されていますが、痔核の切除の傷により狭くなっているのではなく、肛門の周囲を全周切除したために、その傷が収縮して狭くなっています。いわゆる瘢痕(はんこん)狭窄です。苦痛を改善するためには肛門拡張手術が絶対に必要ですが、肛門径を拡張できても、肛門の固さは取れません。

 

痔核の手術と痔瘻の手術を同時に受けて肛門が狭くなっている方もあります。感染と炎症があるので、痔核の手術創が固くなり、縮んで狭窄になったと思われます。同時に手術を行なう時には執刀する医師のデザインが極めて大切です。

 

逆に切除手術時に内肛門括約筋を取りすぎて肛門が少しゆるい方もあります。また、過去に一世を風靡したホワイトヘッド手術に関しては肛門狭窄、固い肛門、逆に肛門がゆるい、直腸粘膜の脱出(一見、内痔核に見え、出血や下着が濡れたりします)などいろいろな障害を認めます。

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痔瘻の手術後では、括約筋を大きく切開、あるいは過去に何回も括約筋を切開しているために肛門がゆるくなった方が時に来院されますが、内肛門括約筋の部位に皮下外肛門括約筋を授動した経験がありますが、便漏れを完全になくす事は困難です。また、傷が大きいために治癒した後の手術瘢痕(傷が治っても手術の跡が索状に突っ張るもの)が痛み、肛門狭窄、固い肛門の原因になっている方も来院されます。この痛みを取る手術は瘢痕を切除して肛門外の皮膚・皮下組織を広範囲に授動する必要があり、大きな手術になり、瘢痕が後方(6時方向)である事が多いので、修復しても軟らかい便の時には便漏れする事があります。5mmくらい拡張する程度でも、狭窄症状は緩和されますが、疼痛が主訴である方の疼痛は基本的に軽減されません。
大きく陥凹した肛門周囲の皮下を元の形に修復する事だけを目的に手術する場合、保険病名がつきませんので、美容整形になり、保険医療施設では治療できません。

 

これらの病態に対する修復手術(SSG、ESG、V−Y graft、ダイアモンドグラフトを中心に肛門形成します)は、各疾患に対する初回の治療(手術)とは異なり、困難な手術(特に狭くなった肛門を拡張する際には狭い肛門の中で、持針器を挿入し難い方向に深く入れて縫合を行わねばなりませんので、特別な持針器と360度すべての方向に同じ様に手が動く技術が必要になります)になる事が多く、手術時間も長くかかります。

 

修復手術後に肛門はある程度拡張して排便困難は改善しますが、硬くなった肛門に全く元通りの軟らかさを取り戻す事は困難です。また、あまりにも狭窄が強く、広範囲の瘢痕を切除して、肛門外の皮膚を大量に肛門管内に授動した場合には、肛門が拡張しても液体の下痢便時には便漏れする事があり(薬剤にて便の硬さはある程度コントロール可能ですが)、やはり初回の手術で狭窄を作らない事が大切です。

 

【直腸の疾患に対する手術後の修復手術】

 

潰瘍性大腸炎、低位の直腸癌などに対して小腸・結腸と肛門を吻合(IAA吻合など)した後に便漏れを生じる方の修復手術は困難です。理由は直腸・肛門管内圧の低下を防ぐ内肛門括約筋が切除されている、あるいは機能が低下している事と、機能的肛門管長が短くなっているためです。複数の方に皮下外肛門括約筋を内肛門括約筋部に授動した経験がありますが、便漏れは改善しませんでした。

 

直腸の狭窄は膜様狭窄の場合には、大腸内視鏡下にブジー、あるいはバルーンのついた拡張道具を用いて拡張するのが一般的です。吻合部の狭窄が高度であれば、吻合を再施行する事も必要です。

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